辻しば漬本舗の想い
店主ごあいさつ
はじめまして。
辻しば漬本舗 2代目 辻和豊でございます。
数あるショップの中から当店にお越しくださいまして、誠に
ありがとうございます。
当店は京都伝統漬物のひとつ「大原の生しば漬」の製造元と
して1970年に創業いたしました。
しば漬、すぐき、千枚漬、四季折々の京都の御漬物、ちりめ
ん山椒や佃煮を製造販売の店舗でまもなく50年を迎えます。
京都大原は、平家ゆかりの「寂光院」、声明発祥の地である
魚山に位置する「天台宗の三千院」に代表される古刹と、豊か
な里山の暮らしが融合した由緒ある里でございます。
その豊かな風土と水に支えられて、私どもは大原のしば漬の
命ともいえる「赤紫蘇」の自社栽培を続けています。
「しば漬で感動を!」
丁寧につくること、そして、誠実に伝えることで、食卓に美味
しいの笑顔がひろがれば幸せでございます。
何卒よろしくお願いいたします
辻しば漬本舗までのアクセス
辻しば漬本舗が心がけていること
しば漬づくりへの誇りと愛情
たかがしば漬け、されどしば漬け。
みなさんはしば漬発祥が京都大原であることをご存知ですか?
かつては、平家物語にて寂光院に隠棲された建礼門院に献上したといわれる歴史がある、夏野菜を塩だけで漬け込んだ素朴なお漬物が、実はしば漬のおこりです。
茄子と赤紫蘇だけ塩のみで漬け込み、乳酸菌の力をかりてじっくりと自然発酵させる「大原の生しば漬」は、昔ながらの自然発酵の製法を今も変わらず続けるお漬物です。この昔ながらの方法は、場所もとるし、時間もかかります。
例えば、漬け込みは年に1度、赤紫蘇が収穫できる夏季に行い1年分の樽を並べる場所が必要です。そして発酵に時間もかかるため、すぐに販売はできません。
また、塩と重石の加減に頼るには、熟練した職人的な経験と勘を養う時間が必要です。
つまり、たいへん手間暇がかかります。それは、便利さ、早さを求める現代産業には適さないものです。
それでも、調味料に頼らない本来のしば漬けを仕上げるには、この製法しかありません。
大原の里人たちが代々引き継いだ感謝の思いは、新鮮な葉を収穫するための大原の地での紫蘇作り、茄子と紫蘇と塩の加減をはかる職人的な経験の継承、漬け込みから熟成までの長期間の管理、そして乳酸発酵のしば漬けをお客様へお伝えする丁寧な接客を継続することに今もつながっています。
そして、大原の里人の知恵と文化が根ざしたしば漬けだからこそ、大原で生まれ、その文化と伝統をひしひしと感じる私どもが、さらに後世に伝え、継承することを心がけています。
土づくりへの想い
紫蘇作りに代表される農作業
しば漬けづくりに欠かせない赤紫蘇。
辻しば漬本舗では、創業当初から赤紫蘇を土つくりから一貫して自社栽培しております。春先から夏までは紫蘇作り一色です。
また、秋から冬にかけて、市場に流通していないすぐきの他に小かぶら、日の菜など、気候風土にあった野菜をできるだけ育てています。
野菜を畑で育てることは手間ひまがかかります。
それでも、旬のものはできるだけ身近で栽培し、原料となる野菜作りを通して、大原の自然と大地の恵みも一緒に伝えられる、漬物づくりに取り組んでいます。
漬物づくりへの想い
大原の人と自然から生まれる
〝まごころ〞込めたお漬物
辻しば漬本舗の漬物づくりには少なからず機械を利用します。
しかしながら、それらに携わるのは全て人の手です。
畑で収穫する、野菜を洗う、皮をむく、包丁を使う、機械を使う、重石をかける、包装する、販売する。
担い手全員が手を加えるやりがいのある現場で、製品をつくることへの責任感をもち、ひとつひとつ真心を込めて、丁寧に作業に向き合っています。
一貫製造販売への想い
家業としてのつけもんや
我が家はもともと、「桶屋(木桶づくりや修理)」が専門であり、家庭用に漬けていたしば漬けの一部だけを、大原女さんとご縁があって、京の都のあちこちで売り歩いていただいておりました。
木桶の需要減少を契機に、昭和45 年、辻しば漬本舗として創業、本格的な漬物製造を始めました。
漬け込みの大半は、人の手で手間暇かけています。場所もとるし、時間もかかりますが、ひとつひとつ丁寧な作業を心がけています。
大量生産ができないために、大手量販店との取引はほとんどございません。
一方で、小規模ながら、野菜の栽培から、漬け込み、販売まで、一貫製造販売を行っています。
だからこそ生産者が真心をこめて製造したものを責任をもってお客様のお手元にお届けすることができると信じています。
“丁寧につくること”“誠実に伝えること”を心がけて、こ
れからも「家業としてのつけもんや」でありつづけます。